こんにちは福黒丸です。今回のテーマは『使われるイラストの研究』です。例えば当方が風景画を描く際に心がけている事について一つの事例としてのマイルールを記事で述べようと思います。どうすれば使われるのか当方が研究し得たハウツーの事例をお伝えしたいと思います。
タイトルは難しい
本当はタイトルは付けたく無いのです。しかしタイトルを付けないと画像をアップロード出来ないサイトが多くて当方が利用しているストックイラストのサイトもタイトルは必須なのです。 従いまして仕方なく付けたタイトルがこれです。 『海と太陽と車と木』出て来るモチーフがそのまま名詞として並べられただけで全くひねりも有りません単純です。何故イラストにタイトルは付けたく無いのかと言いますと、先入観が働くからです。先に刷り込ませるのが非サプライズに思えます。絵というものは説明は要らない最初のインパクトで見たままが全てだと考えます。しかしながらストックイラストとしてはお使いになられる方に説明が無いのは逆に不親切なのかも知れません。使う側から見ればどの様にしてその絵を用いるのか迷ってしまう事はあると思います。いくら作り手がタイトル不要と思っていても、使い手の立ち場とは異なるという事なのですね。その為、アップロードする画像には出来るだけ説明を入れる方が使われやすい傾向です。尚且つタイトルを見ただけで説明の概ねが理解出来る事は選ばれるきっかけとなります。そしてイラストの説明文は詳細が書かれている事が理想ではないかと考えるのです。従いまして、タイトルは何度もやり直して時間を掛けて選ぶ事が多くなり、とても難しい作業なのです。
使われるとは
イラストが使われると嬉しいですね。多くのイラスト描く人が望む事でしょう。さて使われる場面なのですが、例えばTシャツのプリント絵柄、音楽のジャケット、イベントポスター、商品のプロモーションなど様々なジャンルで使われる事はとても喜ばしい事です。その為にも使い難いマイナス要因を研究する事も作戦の一つです。そのマイナス要因は割愛し、別の機会で取り上げる事として今回のテーマはプラス要因に絞り込み解説したいと思います。
説明内容はざっくりとこの様な感じになります。
ストーリー
風景画の一番意識するポイントがストーリー性です。理由はセリフも人物も居ないわけですから、風景だけでストーリーを感じさせるテクニックが必要になります。その為、画面に出てくるモチーフの選定には気を使いますね。今回の事例で言いますと、海に沈む太陽は一日の終わりを告げるかのようです。または登る朝の太陽かも知れません。それを眺めながら停車する車のルーフにはサーフボードが見えます。よってサーフィンを楽しんだ後に沈む太陽を眺める主人公達がパートナーと停めてある車の向こうの方で何か語り合う姿が思い浮かんで来ます。それはプロポーズなのか或いはサヨナラなのかそれは様々で空想出来ますが、何かしら物語があるのではないかと考えられるのです。この様にしてストーリーを想像させる事で風景画はより魅力が増すのではないかと考えます。それぞれの体験や人生経験と重ね合わせる事でセンチメンタルになったりします。そうすれば使われる率も上がるイラストになるのではないかと思います。従いまして、ストーリー性を感じさせる事はとても重要度が高いと考えるのです。
シルエット作戦
細部を描き込むディテールに対してフォルムは最初の段階から決めておきます。例えば、細かく描き込んだのは良いが最終的に構図に納得が行かなければ、やり直しする際のリソース消費はかなりのロスになります。そこでモチーフを一旦、黒く塗り潰します。こうする事で全体の構図が浮かび上がります。配置もここで調整します。このシルエット作戦を用いると作業効率は飛躍的にアップします。黒く塗り潰してみないとフォルムを捉えるのは難しいです。何故なら目が惑わされるからです。細部のディテールに目線が奪われてフォルムの欠陥が後から浮き上がる頃には手遅れになるのです。従いまして、順番としては構図を決める為にフォルムを完成させておき、この時点で納得いけば、次に細部の描き込みディテールを完成させて行くのです。しかしよく見ると、この海と太陽と車と木は細部は殆ど描いて居ません。ご覧の通り、シルエットが9割になっています。それでも違和感なく感じる事が大切です。これはわかり易い事例のイラストをここに紹介しました。シルエット作戦の説明の為に載せましたが、もともとのコンセプトは太陽光の逆光を描きたかったのです。
季節感
季節感を感じさせる事はマストだと思います。その辺りの課題は季節ごとのイベントをテーマにしたイラストはわかり易いです。しかしイベントにしない日常的なコンセプトの場合は色彩やモチーフの選択で季節感を想像させていきます。ここにある『木』は針葉樹ではなく夏に合う椰子の木やフェニックス等がモチーフとして現れてる事で季節感をイメージさせています。ここにクリスマスツリーが描かれてあれば冬を連想させる事にもなります。車の代わりに雪だるまだったり海ではなく花畑なら春を感じさせる事になります。従いまして、モチーフの選択の仕方で季節感を演出するのです。それから色彩に関しては『暖色・寒色』これらの選択によって気温を感じさせます。海と太陽と車と木のイラストレーションは全体的に2色構成になっており、オレンジ×黒です。そのオレンジは『暖色』 の部類であり暖かい印象を受けます。従いまして、季節的には夏をイメージ出来るのです。
デフォルメ
季節感の次に大事にしている事は『デフォルメ』です。その理由はイラストレーションで有りたいという思いです。例えばリアリズムを追求して写真みたいなイラストが描けたとしても、それはテクニックとしては素晴らしいです。しかしそれは『味』としては欠けるのではないかと当方は個人的に思うのです。幾ら頑張っても写真や現物には真実さを求める場合、勝てないものです。しかし緻密な再現度だけが絵に対する楽しみ方では無いと考えます。当方の考える楽しみ方として『サプライズ』があります。それはインパクトが有れば有るほど効果を発揮します。例えば、この海と太陽と車と木のイラストに出て来る『太陽』の大きさを観て頂きますと、実際あり得ないサイズ感です。こんなに大きく見える太陽は未だかつて見た事も有りません。ここがデフォルメされている箇所になります。敢えて大きく描いた理由は全体的な構図のバランスです。ポジの部分とネガの部分の比率を考え50:50にしています。車や木がシルエットの黒でネガ部分、太陽の白さがポジ部分ですから、半分半分の比率で割り振りされています。従いまして、太陽は本来なら小さいサイズがリアルなのに敢えて大きくデフォルメした理由は明と暗の比率、ポジとネガの比率をバランス良くしたからなのです。つまり暗すぎず、明る過ぎず、偏らないように画面のバランス調整をしております。またサプライズとしても効果は高く大きな太陽がとてもドラマティックに感じさせる事が出来まして、ストーリー性を後押しする役目にもなるのです。
完成のイラスト
海と太陽と車と木イラスト - No: 22210294|無料イラスト・フリー素材なら「イラストAC」
それではまたお会いしましょう by.福黒丸